一発完了!読書感想文

今年もやるぞ、一発完了!読書感想文
本年(2001)の課題図書とあらすじ、感想の例文があります
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2000年作品
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課題図書

小学校低学年の部(小学校1、2年生)

カバー でこちゃん バンザイ!なかやまくん かさぶたくん
書名 でこちゃん バンザイ!なかやまくん かさぶたくん
著者 つちだのぶこ さく・え 太田京子 作
宮本忠夫
やぎゅうげんいちろう
出版社 PHP出版社 草炎社 福音館書店
本体価格 1100円 1050円 838円
あらすじ  日曜日におかあさんに髪を切ってもらったてこちゃんのおでこを見 てみんなが「てこちゃんがでこちゃんになった」とひやかすので、て こちゃんはおでこが嫌いになります。明日は幼稚園に行く日。朝がや ってきて鏡を見たてこちゃんは昨日のままなので泣き出してしまいま した。「こんなおでこじゃ幼稚園に行きたくない」そんなてこちゃん にお姉さんはいいことを教えてくれました。  名前を呼ばれても、「はあい」と返事ができないなかやまくん。 うんち、たまってんじゃないとか、いわれてやっぱり、だめ! ある日、事件はっせい。クラスの友達が金色のカエルを教室にもってきました。 みんなひっくりカエル。あたらしい生活に踏み込んでいく子ども達、 新一年生をはげます、元気のでてくるお話。  かさぶたって何だろう?かさぶたって、血でできた傷をふさぐ、バ ンソウコウなんだ。その下では、新しい皮膚がどんどん作られている よ・・・・こどもの疑問を追ってかさぶたの謎解きが愉快に展開していき ます。
例文6才男子/小1女子 /小2男子 まだない小2男子


小学校中学年の部(小学校3、4年生)

カバー ソリちゃんのチュソク アディオスぼくの友だち ぼくらは知床探検隊
書名 ソリちゃんのチュソク アディオスぼくの友だち ぼくらは知床探検隊
著者 イ・オクベ 絵と文
みせけい 訳
上條さなえ 作
相沢るつ子 絵
関屋敏隆 文・型染版画
出版社 セーラー出版 学習研究社 岩崎書店
本体価格 1500円 1200円 1600円
あらすじ  韓国のチュソク(秋夕)は旧暦の8月15日、日本のお盆とお月見をあ わせたような行事で韓国の人たちも、チュソクにはふるさとに帰り、 先祖のおまいりをするそうです。似ているようで少し違うお隣りの国 の風習をソリちゃんと出かけてのぞいてみましょう。 「あたし、レベッカでーす。」かあちゃんが作っているとうふのように、 色の白い女の子が、ぼくたちのクラスに転校してきた。みんな、ペルーからやってきた かわいいレベッカにむちゅうになった。レベッカはわがままで 言う事がきつい。周兵たちクラスメイトはいつもレベッカに振り回さ れる・・・ぼくは、とうとうレベッカに、ついきつくあたってしまった。  毎年夏になると行われる少年少女知床半島冒険キャンプ。 きびしくも楽しい四日間の冒険キャンプ生活の中でたくましく成長す る子供達の姿と、雄大な知床の大自然を美しく力強い型染め版画で生 き生きと描いた大型絵本。 夏の北海道、少年少女の探険隊が知床半島の東岸をすすんでいく。 子どもたちは、足もとの悪い岩場をあるき、ザイルをつかって崖をのぼり、 洞窟でキャンプをして岬をめざす。 知床半島のきちょうな動植物、くらしや歴史、 そして子どもたちが自分の手足でつかむ探険の旅。
例文小3男子まだないまだない


小学校高学年の部(小学校5、6年生)

カバー チロと秘密の男の子 少年達の夏 森のスケーター ヤマネ
書名 チロと秘密の男の子 少年達の夏 森のスケーター ヤマネ
著者 河原潤子 作
本庄ひさ子 絵
横山充男 作
村上豊 絵
湊秋作 著
金尾恵子 絵
出版社 あかね書房 ポプラ社 文研出版
本体価格 1200円 1000円 1200円
あらすじ  音楽が苦手で歌が下手で、音楽教室に通わされる事になったチロ (千広)はへんなおばあさんや、現れたり消えたりする不思議な秘密の 男の子と出会って、人前で歌える勇気をもらいます。  四万十川に抱かれた中村の町。
小学生最後の夏休み。いかだで海まで行こうと決めた三人の少年達。 最高にあつかった四万十川の夏を、ぼくらは決して忘れない。
 「生きた化石」といわれるヤマネ。体重18グラムの小さな体のチッ チは冬眠から目覚めて清里の夜の森で活動を開始した。 神秘的で興味深いヤマネの習性・生態を興味深く描きます。チッチは どうやって生き延びてきたのか?
例文小5女子まだないまだない


中学校の部

カバー ローワンと魔法の地図 坂本竜馬:飛べ!ペガサス 君たちへの遺産 白神山地
書名 ローワンと魔法の地図 坂本竜馬:飛べ!ペガサス 君たちへの遺産 白神山地
著者 エミリー・ロッダ 作 
さくまゆみこ 訳 佐竹美保 絵
古川薫 著 齋藤宗勝 著
金尾恵子 絵
出版社 あすなろ書房 小峰書店 アリス館
本体価格 1300円 1500円 1400円
あらすじ  リンの村を流れる川が枯れてしまった。このままでは、家畜のバク シャーもみんなも生きていけない。水を取り戻す為に魔法がかけられ た不思議な地図を頼りに腕自慢の7人の勇者が竜が住むと言われる魔 の山に向かった。
 クモの扉、底なし沼、謎めいた詩・・・オーストラリアの子供たちを 熱狂させたスリル溢れる冒険ファンタジー。
 明治維新以前。近代日本の夜明けの空を飛翔した坂本竜馬。勝海舟 との出会いから薩長連合への懸命な努力など、竜馬の人生の最も光輝 く時を描きます。  世界自然遺産となった白神山地の生命輝くすずやかな森を、山地に 入って見聞きしたことをできるだけリアルに書いた紀行文を中心に紹 介する。
 日本初の「世界遺産」白神山地を、21世紀に生きる君たちにバトンタ ッチしたい。ブナ林8000年の秘密に魅せられた科学者の探検記。
例文中1女子まだない中3男子


高等学校の部

カバー 旅路の果て:モンゴメリーの庭で 映画少年:淀川長治 そして、奇跡は起こった!シャクルトン隊、全員生還
書名 旅路の果て:モンゴメリーの庭で 映画少年:淀川長治 そして、奇跡は起こった!:シャクルトン隊、全員生還
著者 メアリー・フランシス・コーディ 作
 田中奈津子 訳
荒井魏 著 ジェニファー・アームストロング 著
 灰島かり 訳
出版社 講談社 岩波書店 評論社
本体価格 1500円 700円 1600円
あらすじ  人気作家・完璧な牧師夫人・優しい母親という役割をすべて果たし、 人々に崇拝された「赤毛のアン」の作者モンゴメリー。しかしその人 生の内側には、肉親の温もりに欠けた少女時代、愛情薄い結婚生活と 夫の病気、愛する者との別れ、そして「アン」を超える作品を生み出 せない作家としての苦悩など、希望に満ちた作品世界とは裏腹な深い 〈闇〉が隠されていた……。
 「赤毛のアン」はなぜ書かれ、作者はどう生きたのかを少女との交流 を通して描く。
 「映画の先生」として親しまれ、89歳で亡くなった淀川長治さん。 その一生は映画から人生の知恵、愛の精神、勇気や希望を学び続けた 人間勉強の連続だった。その彼が人生最後の日々に伝えたかったメッ セージとは?晩年の淀川さんと親しく交わったジャーナリストが語る 感動の評伝。  酷寒の地、南極で船を失い、氷上を1年近くさまよった後、全員生 還を果たした28名の男たち。栄光ある失敗を戦い抜いたその偉業は、 人間の生きる力の強さを伝える。
「ボス、あなたなら戻ってきてくれると信じていました」
例文高2男子/高2女子/高3女子まだないまだない


でこちゃん
でこちゃんをよんで
ぼくは、このほんでは、でこちゃんのかおがいちばんおもしろいとおもいます。 おでこがすごくおおきくて、ほんとにみたら、ぜったいにわらうとおもいます。 かわむらくんもおでこがおおきいです。ぼくがかわむらくんのおでこをみてわらったら、 かわむらくんは、おこってけんかになりました。かわむらくんは、なくとまっかになって パワーアップしたので、ぼくはくせんしました。
もしわらって、てこちゃんがないたらこまるので、いないところでわらおうとおもいました。
実は


でこちゃん
感想文
 てこちゃんは、おかあさんがかみを切ってくれます。わたしもおかあさん が切ってくれます。てこちゃんはおでこが大きいです。てこちゃんのおかあ さんは、さんぱつにしっぱいします。うちのおかあさんもよくしっぱいします。 わたしはながいかみがたにしたいのに、おかあさんはすぐに切ります。わたし は、もーにんぐむすめにしたいです。てこちゃんはさんぱつしっぱいで、でこ ちゃんになって、ようちえんに行くのがいやです。わたしもしっぱいのときは となりのえりちゃんに「へんなあたま」とわらわれたです。くやしかったので えりちゃんをたたきました。おかあさんにしかられました。もっとくやしく なってないてしまいました。うちはおとうとしかいないので、てこちゃんの おねえさんがうちにもほしいです。おかあさんにそういったら、おかあさんも そうおもうよといっていました。てこちゃんはいいなあとおもいました。 おとうとはけんかばかりするので、おとうととてこちゃんのおねえさんを こうかんしてほしいです。
一言


でこちゃん
てこちゃんをよんで
ぼくも、さんぱつはいつもおかあさんがします。 おかあさんはとこやだいをうかすといって、 バリカンでやります。おとがうるさいから、ぼくはいやです。
このまえ、おかあさんがまちがって、バリカンできったときに、ぼ くのみみをすこし きってしまいました。
「ちがが、ちががでてるよ。いたいよう」
と、ないたらおとうさん がカットバンをはってくれました。
それから、ぼくのあたまみて、げらげらわらいました。
「ところどころはげてるね」
といって、おおわらいしました。
ぼくは、かがみのところにいって、みたらはげがありました。 あしたがっこうで、だいちゃんがわらうとおもいました。 とても、かなしかったです。
それで、あとで、おかあさんはあたまにマジックでかみのけをかきました。だから、てこちゃんのおねえさんと、うちのおかあさんとおなじだとおもいました。
よる、おふろであたまをあらったら、まっくろなあわがでました。 とてもおもしろかったです。


かさぶたくん
感想文
 ぼくは、かさぶたくんをよんで、かさぶたくんがぼくたちのきずをまもって くれているんだなあと思いました。
 あたらしいひふが、こんなふうにできていくのも、はじめてわかりました。 ちょっと気もちわるいみたいだったけど、かさぶたくんがはがれると、下が ピンク色になっているわけがわかりました。
 かさぶたくんだけじゃなくて、ちくんやたんぱくしつくんもきずをなおすのに がんばっています。だから、すききらいしないで食べるのがいいです。
 ぼくは、よくこけたりするので、手や足にかさぶたができます。でも、かゆい から、いつもかいて、はがします。そうすると、またちが出て、かさぶたが できます。「そんなんしてるから、なおらへんねんで」と、おかあさんに いつもしかられます。
 でも、こんどからは、かさぶたくんができたら、だいじにそうっとしておこうと 思います。なぜって、早くなおしてほしいからです。


ローワンと魔法の地図
感想文
 こういうファンタジー物は好きなので、一息に読んでしまった。
 一見RPGによくありそうな筋書きだが、この作品の根底に流れるものは、 単純な勧善懲悪ではない。また、勇気の礼賛でも愛のすすめでもない。
 最初はそれぞれ自分勝手に行動していた腕自慢たちが、紆余曲折の末に 育んだ結束の力。そう、それは「友情」なんて甘い言葉では語り尽くすこと なんかできやしない、命を懸けた信頼の証。それがあったからこそ、幾つもの 苦難を乗り越えて魔の山の中心にたどりつけたのだ。
 何人かで目的地に向かう、という話は、例えば「指輪物語」など、結構 たくさんあるが、そのメンバーが全員、最初は「オレは周りを出しぬいてやる」 などという腐った根性で出発する、というのは珍しい。おそらく、このクエスト で最も得をしたのは、気をもみながらも勇者たちの帰りを待ちつづけ、楽して 水を得たリン村の村人ではないだろう。それは、人として何倍もの成長を 遂げて、ついでに勇者とたたえられる栄誉を得た、パーティーメンバーなのだ。
 その成長ぶりは、RPGっぽい背景…底無し沼、ヘビの木、眠りの花園、クモ の扉などとあいまって、私をどきどきさせ、憤慨させ、じわっと感動させて くれた。久しぶりに、本当に面白い本を読んだような気がする。


ソリちゃんのチュソク
ソリちゃんのチュソクを読んで
 この本には、かん国の日本のおぼんみたいな行事の事を書いています。 かん国にも日本のおぼんのような行事があるということがわかりました。 その行事の名前は「チュソク」と言うそうです。
 かん国のチュソクでは、せんぞの人のおまいりをして、お月見をするそうです。
 日本では、せんぞの人のおまいりは、おぼんじゃなくて、おはかまいりだと思います。 おぼんとおはかまいりはどうちがうのか、おかあさんに聞いたら、ごせんぞさま家にがもどって くるのが、おぼんで、おまいりに出かけるのがおはかまいりだと言っていました。
 ぼくは、それまではおぼんは夏にとくしまのおじいちゃんの家に出かけることだと思っていましたが、 ごせんぞさまがもどってくると聞いて、ちょっとこわい気がしました。
 かん国の人のように、おぼんとおはかまいりをいっしょにして、おはかにおまいりするほうが、 こわくないと思います。


モンゴメリーの庭で
「モンゴメリーの庭で」を読み
人は必ず心の中に闇を持つ。
それは誰からも尊敬されて完璧な人格者であったモンゴメリーも例外ではなかったということだ。
モンゴメリーが持つ闇は全く逆の形を与えられ、「赤毛のアン」という作品に昇華する。
それは真実彼女が望んだ人生の告白であり、闇を覆い隠すため彼女が被った聖職者という別の仮面 を補強することとなった。
作者は幼い頃のモンゴメリーを「少女」として作品に登場させ、その「少女」との交流を通して モンゴメリーという人間を紐解いていく。
しかし、彼女の人生を綴る旅は逆に作者自身の闇を喚起させる結果となった。
最後に「少女」が作者に語りかける、「さぁ、貴女の闇をお見せなさい」という台詞からも伺え るように、作者はモンゴメリーの闇に取り込まれてしまったのだろう。
どんな形で発露するかは人それぞれなのだろうが、誰もが闇に仮面を被せているのだ。
僕自身も優等生という嘘の仮面を被り、自分の中に眠っている闇という獣を隠している。 だが、もうその必要はないのだろう。
獣は仮面を喰い破り、僕を喰らい尽くした。
その真実の自分に気付かせてくれたこの書に賞賛を送りたい。(高き塀の中より)


モンゴメリーの庭で
モンゴメリの庭でを読んでみて
小さい頃に読んだ「赤毛のアン」を書いた人がこんなに苦しんでいたんだなぁと思ったら涙が出てきた。 あんなに幸せそうな本を書いた人だったのに。 でもだれにでも悪いトコロはあるだろうな。 イヤな性格の人だってたくさんいるだろう。 私のまわりにいるトモダチとかにはそんな子いないと正直思いたい。 て考がえると最ゴに書いてあった「さぁ、貴女の闇をお見せなさい」という言葉にはドキッとした。 私の中にはどんな闇があるんだろう。 そしてあの人の中にはどんな闇があるんだろう。(彼女の机の上より家族によって発見)


モンゴメリーの庭で
旅路の果て:モンゴメリーの庭で
 「赤毛のアン」は、私を読書好きにしてくれた大切な一冊でした。アンを 取り巻く人達の優しさ、アンの生き生きとした毎日、どれもが小さな子供の 私を夢の世界に誘い、魅了してくれました。
 あれほど愛と希望に満ちた世界を私に与えてくれた作者のモンゴメリーが これほどまでに過酷な人生を生きていたという事実は私に大きな衝撃でした。
 周りの大人達に愛されない少女時代、そしてそこから脱出するように飛び 込んだ結婚生活も、モンゴメリーに決して愛情溢れる生活を与えてはくれま せんでした。心の中に大きな空洞を抱えながらも、日々の生活はモンゴメリー を待ってはくれませんでした。
 夫の介護に明け暮れ、また牧師夫人としての完璧な振る舞い、そして自分の 子供時代を埋め合わせるかのように、子供にひたすら愛情を注ぎながらも、 そのことだけでは決して埋められなかった心の中の大きな孤独の穴。
 「赤毛のアン」を書くことで救われるかのように思われた彼女の人生は、 「アン」を超える作品を生み出せないという冷酷な事実によって、自らの作品 に苦しめられることになる・・・。
 どれもが、複雑に絡み合った縄のように彼女の人生を縛っていきます。  彼女を最後まで支えていたものとは一体何だったのでしょう。もちろん 厚い信仰心もあるでしょう。けれど私はそれだけでは無かったと思います。 彼女は「人間の営み」を愛した人だったのではないでしょうか。あがき、苦しみ ながらも、今日という日を生きる重さを知っていた人だと思います。その心の 中の細く漏れ出す光のような希望があの「赤毛のアン」をこの世に送り出した のだと私は思います。
 人生を生きるとはどういうことなのか。創作をする喜び、苦しみとはどう いったものなのか。彼女は自分の人生全てを使って、そのことを私に教えて くれたような気がします。


チロと不思議な男の子
チロへの手紙
 こんにちは!チロ。私もチロと同じ11才だよ。チロは音楽が苦手なんだね。 私は音楽は聞くのも歌うのも大好きだよ。
 そんなチロはいやいや音楽教室に通わされたんだね。私も音楽教室に通ってるよ。 私は自分から行きたいって言って通いはじめたけど、それでもいやだと思う時や、 休みたいと思うときもあるから、チロは最初はほんとにいやだったと思うよ。
 でもチロはそこで秘密の男の子に出会ったんだね。秘密の男の子は、見た目は ちょっとダサいけど、面白くて、やさしい男の子だね。
 やっぱり男の子はやさしいのが一番だよ。チロ、いい子に出会えてよかったね。それで 勇気や元気をもらえたから、みんなの前で歌えるようになったんだね。
 最後にチロが音楽教室の発表会で、「tomorrow」を歌えた時は、チロ、よかったね、 と思ったよ。でもチロが歌えるようになって一番喜んだのは、きっと秘密の男の子だよ。
 私も聞く人が喜ぶような歌を歌えるようにがんばるから、チロもガンバッテネ!


君たちへの遺産 白神山地
「君たちへの遺産 白山山地」から受け取ったもの
 人は「山」に何を感じるのだろうか?雄大な大自然を前にした時に感じるあの畏れは何だろう?
 世界自然遺産白神山地。文字にしてしまえはたったこれだけの事である。
 しかし、実際にその山中に分け入り、その空気を味わい、その大地を踏みしめ、そこに生息する生物の営みを知り、そこに生い茂る木々を見る時、人は「言葉」失う。
 研究者の名前は齋藤宗勝と言う。白神山地に魅せられ、そこに育成するブナ林の秘密を追った男である。彼は、ブナ林8000年の謎を解き明かすべく、何度も白神山地に足を運ぶ。
 春の白神山地。生命の息吹が彼を覆う。夏の白神山地。暑さの中、ひとときの涼風が彼を癒す。秋の白神山地。動物達が彼を驚かせ、又彼も動物達を驚かせる。冬の白神山地。自然の厳しさが彼を襲う。
 時にひれ伏し、時に大胆に、彼はブナ林にアプローチを続ける。そうして少しずつ、本当に少しずつブナ林は彼に自身の事を語り始めた。
 ここでその秘密を語ったとしても、それはただの「言葉」に過ぎない。白神山地の自然の全貌を知ってこそ、この秘密は「命」を得るのだ。
 だからこそ齋藤宗勝はこの書を著した。白神山地の実際を伝える事によってのみ、この「偉大なバトン」を僕達に渡せる事を知っていたから。
 そして今、この本を読んだ僕はそのバトンを確実に受け取った。今の僕にに出来る事は少ないのかもしれない。だが、それでもこの本を読む前の僕と白神山地を知った僕とでは違っている。少なくとも第一歩は踏み出しているのだ。

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