今年の課題図書の一覧とそのあらすじが分かります。

• 2001年はこちら

１はウラパン、２はオコサ。なんでもかぞえられる。ちょっとふしぎで、楽しいかずあそび絵本。

レオンには、自分にしかみえない友だちがいる。なまえはボブ。でもある日、おとなりに・・・？！こどくな少年が、ほんとうの友だちにめぐりあうまで。

「ライギョはタナゴをたべる」とおしえられた、さかな学校１年生のライギョとタナゴ。なかよしの２ひきは、とてもこまってしまいました。

冷たい雨が降る冬の夜、貧しい一人暮らしのおじいさんの家に一匹の黒ねこが訪れました。
おじいさんは、びしょぬれでみすぼらしい黒ねこを暖かく迎え入れました。 哀れな声で鳴きたてる黒ねこに、貧しい食べ物を それから、とっておきのご馳走まで与えてしまいます。
そして寒さに震える黒ねこのために、最後の薪も使い果たしてしまいました。
翌朝黒ねこが雪の中へと去っていくのを、おじいさんは、 「さよなら、わしの友達よ｣ と空っぽになった家から見送りました。
そんなおじいさんのもとにもたらされたのは、食べ物と薪。 そして何よりもおじいさんの心を慰めたのは、黒ねこへの友情でした。

いじめが原因で家出をした少年が、新幹線の中で出会った変な男の子は、修学旅行に出されたざしきわらしだった！少年たちの冒険と友情を描く。

富士山がどのように出来たのかを分かりやすく図解している本。 あの見事な富士山のでき方を知るには、地球上に日本列島が登場したころの様子を知らなけれならない。 宇宙の誕生から地球の誕生、さらにアジアの東の激しいプレートの動きの中から日本列島が形成される。 南方から動いてきた小さな島が列島にぶつかって今の伊豆半島ができ、押し合った所に皺ができて、そこから地底のマグマが吹き出して富士山のもとになる小御岳(こみたけ)が生まれ、それを包み込むようにして一万年前頃に古富士が形成される。 更にまた激しい噴火が繰り返されて、六千年ほど昔に今日のような形の富士山が登場するのだ。 富士山は生きている。まだまだ若い火山で、今はちょっと昼寝をしているに過ぎない。

例)　３年生・女子 　私は、富士山にのぼったことはありません。絵はがきで見たことはあります。日本で１番高い 山だと、お父さんが教えてくれました。どんな大きな山なんだろうと思いました。
　富士山は、初めから地球にあったのではなかったそうです。それに地球も初めからあったのでは ないそうです。とてもビックリしました。
　地球ができて、日本列島ができて、地面が押し合ってしわができて、そこからマグマというのが 吹き出してきて、富士山のもとができたそうです。
　でも、それはまだ富士山のもとで、今のような富士山になるには、何度も噴火があったそうです。 今の富士山になったのは、六千年前だそうです。
　富士山は、今はお昼寝をしているそうです。まだ噴火をする可能性があるそうです。今、東京の 方で、噴火が起きているので、とてもこわいと思いました。日本一大きい山が噴火したら、日本中 灰でうまってしまって、私の家もうまってしまうと思います。私が大きくなって、けっこんする まで、ばくはつしないでくださいとお祈りしました。
　お父さん、お母さんが生きているあいだも、噴火しないで下さいとお祈りしました。とても こわい本だなあ、と思いました。

クラスがこわれていく時、あなたならどうしますか・・・いじめをきっかけにゆれうごく６年１組。その中で成長していく子供達の姿を感動的に描く作品。

南太平洋のパスクア島に、島の長をおとしめる石の絵や文字が発見され、不安と不信が島をおおう。巨大石像の由来を語る、人間の悪と愛の物語。

おいしくて安全な野菜を作りたい！虫で害虫を退治する天敵農法−新しい農法にとりくむ農家の努力とよろこびを描いた感動のノンフィクション。

例)　５年生・男子
　ぼくはこの本を読んで、とてもおどろきました。トマトをつくることが、こんなに大変 なことだなんて、全然知らなかったからです。
　ぼくは、朝顔の球根を植えて、観察日記をつけたことがあります。種をまいても芽が 出るのが遅くて、ドキドキしました。ツルが出てからは、毎日ぐんぐん、ぐんぐん大きく なって、青い花が咲きました。自分で育てたんだと思うと、とてもうれしかったです。
　この本を書いた人は、トマトを育てるのに、農薬を使うのがいやで、害虫を退治して くれる虫を探して、トマトを育てることに成功しました。
　農薬はとても恐ろしいそうです。僕はこれからトマトを食べる時は、よく洗ってから 食べようと思っています。
　この本の人は、最初はうまくいかなくて、苦労もしたけど、最後にはトマトが出来ました。 途中で、本当にトマトが出来るようになるのか、ハラハラドキドキしました。ぼくは本を 読んだだけだけど、この人は自分でやっていたので、もっとドキドキしたと思います。
　でも、終わりの方でトマトが出来た時、本当にうれしそうで、ぼくまでうれしくなって しまいました。
　将来、ぼくもトマト農家になって、この人みたいにファーブルになってもいいかなと 少しだけ思いました。

きいちゃんは、手足の自由がききません。が、お姉さんの結婚のお祝いにと何日もかかってゆかたをぬいあげました。花嫁さんはそれをお色直しに・・・。
養護学校の教員をしている著者が、そこで出会った、大切な友だち。 きいちゃんは、きいちゃんとして生まれ、きいちゃんとして生きてきました。 幼いころの病気がもとで、手足が不自由なきいちゃん。そんなきいちゃんが、結婚するお姉さんのために夕日色のゆかたをぬいあげました。結婚式の日、お姉さんはお色直しで……。

内気な少女シェルビーは、祖母と暮らすことをきっかけに、自分らしく生きることの素晴らしさに目覚めていく。
少女シェルビーは絵が上手なのに、目立つのが嫌でチャンスにも尻込みしてしまう内気な少女。シェルビーの誕生パーティーの前日、おばあちゃんが倒れた。ママと一緒におばあちゃんの家に行ったシェルビーは、パーティーが中止になって、おばあちゃんに八つ当たりする。しかし、おばあちゃんの古いアルバムと意外な特技を見て、かたくなな心がときほぐされていく。

例)　中学生・女子・１３歳
　恥ずかしがり屋のシェルビー。そして甘えん坊なシェルビー。どのシェルビーも私と良く似ている なあ、と思いました。
　私も絵が得意です。特に漫画を描くのが大好きです。でも、恥ずかしいので、家でこっそり描いて、 友達にも見せていません。「下手じゃん」と言われるのが、恥ずかしいからです。
　 　すぐにしり込みしてしまうシェルビーの気持ちはとても良く分かります。たくさんの人の前で失敗 するのがこわいからだと思います。目立つことをすると、いじめられたり、からかわれたりするから、 私も学校ではおとなしくしています。
　でも、いつか自分の描いた漫画を友達に見てもらいたい気持ちはあります。お母さんは「見てもらった らいいのに」と言ってくれますが、まだ勇気がありません。でも、シェルビーのおばあちゃんの話を 読んで、少しだけ（本当に少しだけ）勇気がわいてきたような気がします。
　シェルビーが楽しみにしていたパーティを、おばあちゃんの為に中止になって、おばあちゃんに 八つ当たりをしてしまった部分は、私も同じような気持ちになりました。なぜなら、私もおばあちゃん に八つ当たりをしたことがあるからです。
　でも、後でとても悲しい気持ちになりました。シェルビーは、おばあちゃんの意外な一面を見て、 ご機嫌が直りました。きっとおばあちゃんのことを、今までとは違った目で見ることが出来るように なったからだと思います。
　当たり前の話ですが、おばあちゃんは生まれた時からおばあちゃんではないんですよね。色々な ことを経験して、おばあちゃんになっていくんだと思いました。時間とか、年をとるということを 少し考えました。 　私も、もう少し勇気を出せば、シェルビーのおばあちゃんのように、孫を驚かせるような人に なれるかな。なってみたいなあ、と思いました。

今、世界中で森が急速に消えつつある。ＣＯ２を減らし、地球の温暖化を防止して私たちの未来を救うために、人類の急務「森林再生」を実践する方法を具体的に示している。。
人類は森を克服するなかでいくつもの文明を築いてきた。しかし、森の消滅は文明の衰退でもあった。著者は、森の構造やさまざまな機能を確認し、日本人と森との共生の歴史をふり返り、鎮守の森を再評価する。そして、ふるさとの木によるふるさとの森づくりを提唱する。苗の育て方から、植樹、その後の世話をていねいにガイドし、マレーシア、タイ、チリ、中国など世界の国ぐにでの子どもたちとの森づくりの経験を紹介する。

例） 中学生　１４歳・女子
　今、私達は西暦２０００年の日本で、快適な暮らしを毎日おくっています。水道から水が出て、電子 レンジで温めれば直ぐにお料理が食べられる。コンビニに行けば、２４時間欲しいものが手に入ります。 食べ残しを捨て、ゴミを沢山出し、電気をどんどん使い、携帯でいつでも友達と連絡が取れる。
　これが「普通の生活」だと思っていました。
　文明の進歩がもたらしたモノは、とても便利で快適だけれど、そこには隠された顔があったのです。 私達が当たり前としてやっていること、それが地球を、森林をどんどん破壊していく原因となっていた のです。
　人類は、森を切り開き、開拓して人間が暮らしやすいように、今日まで発展して来ました。けれど、 それは両刃の剣でした。人類は森に守られて生きてきたのです。その森を取り返しがつかないほど 破壊してきてしまった。
　でも、ここで立ち止まってしまってはいけないのです。宮脇さんは、森と人間との関わり、地球に おける森の役割を説きながら、具体的に森の再生を示唆し、また自ら子供たちと森を造っています。 １人の力は小さいけれど、同じ考えを持った仲間が増えれば、少しずつでも森は生き返ることが出来る のです。
　私はこの本を出来るだけ沢山の人に読んで貰いたいと思いました。これからの地球を造っていく私達や、 今、この文明の恩恵を受けて仕事をしている大人の人達にも。 　１日に数分でもいいから、この今暮らしている地球のことを考えて欲しい。今すぐ行動に移さなくても、 考えることによって、必ず何かが変わって行くと信じたい。 　地球を救えるのは、この星に住んでいる私達以外に居ないのだから。

人に傷つけられたオオカミは、限りなく心優しい少年と出会い、再び生きる力を取りもどす。
動物園に囚われの片目のオオカミは、ある日自分をじっと見つめる黒人少年と出会う。どうせすぐあきるだろうと思っていたけれど、次の日もやはり少年はそこにいる。次の日も次の日も。もう二度と人間に興味は持つまいと思っていたオオカミは無視し続けるが落ち着かない。明日は動物園の休館日。これで、あの少年は来ない！　ところが次の日、やはりいる。 　こうしてついに少年と向き合ったオオカミの片目。オオカミは自分の生涯を語り始める。 一方少年（彼の名前はアフリカだ。）もまた、アフリカでの日々を語り始めた。 動物と少年の孤独が互いに触れることで埋められていく。

例）　高校生　１６歳・男子
　孤独を抱えて生きていくことは、何とつらく、けれどもそれが心の交流によって埋められていく 瞬間は、何にも代え難い素晴らしい時間だと感じた。
　孤独は、人を萎縮させ絶望させる。もし、生まれてからずっと孤独であったなら、その悲しさには気付かないかもしれない。けれど、人の温かさを知ってからの孤独はよりつらいものだ。こっちを向いて欲しい、話を聞いて欲しい。けれど、そこで相手にされなければ、より悲しさが増す。
　そうなれば、初めから期待せず、人との交わりをやめてしまえばいい。そうすれば傷つけられることもなくなるのだから。
　片目のオオカミは、傷つけられて、裏切られて、もう２度と人間に期待はするまいと思ったに 違いない。
けれど、心の片隅のどこかに、「まだ信じたい」という気持ちがかすかに残っていたのだ。 そのかすかな糸に触れたのが、アフリカだったのだ。彼は何も求めなかった。ただ、片目のオオカミと向き合っただけだ。一見簡単そうに思えるが、なんて難しいことなんだろう。相手に何も求めずに、ただその人（オオカミ）を見つめるだけ。自分を見ていてくれるという事実だけで、人間は安心をする生き物なのに、みんなこのことを忘れてしまっている。
　悩みや、孤独を抱えずに生きている人は居ないと思う。そのことを思いおこして、人と交流をしていけば、今までお互いに気付かなかったことに気がつくのではないか。
　孤独や、裏切りは辛い。けれどそれを知らずに人生を生きていくのは、人の温かさを知る機会を逃していることにつながるのかもしれない。誰だって、辛い経験をするのはイヤだ。でも、その経験がいつかは役に立つ日が来ることがきっとあると思う。
　片目のオオカミ、君は僕であり、回りの皆だ。けれど、僕はアフリカになることも出来ると思う。そして同じように皆も、アフリカになることが出来るのだ。大人でも、子供でも。

詩やシナリオを書くのが好き、女優志望の少女は一転、司法試験に挑戦。女性弁護士の草分けとして少年事件や家族問題の現実ドラマで活躍することに。
家族問題に悩む人々に、励ましや勇気を与えることで知られる弁護士渥美雅子は、両親の不和から、早く自立することを考える。高校時代は演劇に熱中したが、親の意向で法学部に進学する。恋愛、安保反対運動、演劇との決別などの苦悩の後、猛勉強で司法試験合格、選んだ仕事は別々でも、学生時代に結ばれた夫と雅子は、子育てにも仕事にもいつも二人三脚。

例）　高校生　女子・17歳
　私は、初めこの本を読む気があまりありませんでした。私は勉強があまり好きではありません。弁護士さんの書いた本なんて、どうせ難しいか、お説教だと思っていました。でも、読み出す内にどんどんと引き込まれていきました。「これは、私のことだ！！」そう思いました。
　友達にも内緒にしていましたが、私の両親も渥美さんの家庭のように仲が悪いのです。中学生の弟が居るのですが、どちらが私か弟を引き取るか、という話し合いをしていたこともあります。
　学校もつまらない、家に帰っても両親はほとんど会話もなく、私が何をしていても無関心です。渥美さんは、詩を書くのがとても好きだったそうですが、私はアニメのセル画を書くのが好きです。なんかそういうところも、私と似ているなと思いました。
　表面では平気な顔をしていますが、両親の仲が悪いのは本当はつらいです。そんな時は好きなアニメのイラストを描いて、色々な空想をします。
　でも、成績も良くないし、イラストだってうまい方ではないので、いつも「こんなん、夢やわ」 とあきらめていました。でも、この本を読んで「私は逃げているだけと違うか。夢を実現する為に 少しでも努力したことがあったんか」とハッとさせられました。どんなことだって、やる前から あきらめてしまってはダメですよね。
　渥美さんが、法学部で猛勉強をして、今は弁護士さんとして活躍されているのを読んで、私もまわりに振り回されないで、自分の夢を実現していこうと決心しました。好きなアニメの世界を通して、私も同じ様な悩みを抱えている人に、励ましや勇気を与える人間になれたらと思います。
　マンガ以外は、ほとんど本なんか読まなかったのに、もう３回も読んでしまいました。くじけ そうになった時は、この本を読もうと思っています。いやいや読み始めた本でしたが、１７歳と いう時にこの本に出会えたことは、本当にラッキーだったと思います。
　もし、今いろんなことで悩んでいる人が居たら、絶対この本を読んで欲しい。その時はつらくても、夢を持って努力すれば、必ず道は開けると信じて！！

スコットランドから南太平洋の島まで、足と文献と想像力を駆使して憧れのロビンソン・クルーソーの実像に迫る。
ロビンソン・クルーソーにはモデルがいた！大航海の時代、無人島に置き去りにされた彼は４年後に救出されたが、その後どうしたか。知られざるモデルの人生を追って、著者は世界各地に手紙を書き、消息を求め、遺品を探す。イギリスへ飛び、へき地にある生地を訪ね、自分も漂流生活を体験する。生還後のモデルが船乗りを続けたのはなぜ？情報を求めて調査にチャレンジ。体験にもチャレンジ。ドキュメンタリーです。

例)　高校生　男子・１７歳
　「ロビンソン・クルーソー」これを小学生の時に読んで、僕はどれだけドキドキしたことだろう。 太平洋の無人島に１人きり、知恵と力を振り絞って毎日を生き抜いていく。冒険というものにかすかな 憧れを抱いていた僕は、彼に完全にノックアウトされてしまった。
　僕も、もし無人島で１人になったらこうやって魚を獲ろう、住む所はこんな風に工夫しよう、と 夜ベッドの中であれこれ考えたものだった。
　でも、中学生になり、これはおとぎ話だということが、だんだんと認めたくはないけれど分かって きた。そう、丁度サンタクロースが居ないというのが、分かっていくように・・・。
　けれど、僕の英雄「ロビンソン・クルーソー」は実在したんだ。このお話には、ちゃんとモデルに なる人がいたんだ。そのこと自体も僕には嬉しいショックだったけど、この「著者」が、モデルの足取り を追って、追跡し、奔走し、また自らも同じ様な体験をして、彼の謎を解き明かしていく。
　僕の中で新しい英雄が生まれた。この「著者」も自分の知恵と力を駆使して、「ロビンソン・ クルーソー」を追って行くという冒険をやってのけたのだ。冒険とは、何も無人島でサバイバルを することや、チョモランマに登ることだけではない。
　彼のように、自分の「知りたい、なぜ、どうして？」という知的欲求を追い求めていくことだって、 十分な冒険なんだ。
　受験勉強で、こういった気持ちを忘れかけていた僕に、「どんな身近な所にも冒険はあるんだよ」と そっと囁いてくれた本になった。 　いつか、自分の力で生きていけるようになったら、僕も自分だけの冒険を見つけるつもりだ。 その時には、この著者にお礼の手紙を書こう。忘れかけていた宝箱を開けてくれてありがとうと・・・。